男女群島 「青木東」
それをパラパラと足元に撒いてみます。すると、待ってました!っとばかりに登場したのはイスズミにカゴカキにサンノジの軍団。エサ取りが多いと聞いてはいましたがこれほどとは.....。
取りあえず配合剤のブレンドは取り止め、仕掛けの準備に掛かりました。

ここ「青木東」は瀬戸の中央に位置するため、ド本流の釣りが楽しめます。潮が早い上にエサ取りが多いので、私流では軽い仕掛けが使えません。取りあえず、B程度の負荷を選んで仕掛けを組み上げてみました。
・ 竿 アテンダー2号
・ リール トーナメント3000SH LBD
・ 道糸・ハリス サンライン ブラック2.5号
・ ウキ 松山3-3 (B)
・ ハリ 尾長7.5号
・ タナ 2ヒロ~
今は下げの時間帯。しかし、潮の勢いはまだありません。ですので、エサトリの跋扈は当たり前ですが、先ずは分離を試みます。足元にドバドバ...沖にチョロっとマキエを打ち、頃合いを読んで仕掛けを「喰わせたいポイント」に放り込みます。暫くすると全負荷を一身に背負ったウキはシブシブの状態から徐々に海中に向けての潜行を開始。その潜行度に合わせて道糸をゆっくり送っていると、ブラックラインに施されたピンクのマーキングがスッと走りました。間髪入れずに竿を起こして合わせると確かな重さが竿にズンっ。竿を腰だめの位置に持ってきて、更に締め上げると、敵もその抵抗にビックリしたのか、シャープな抵抗を披露します。程なくして浮いてきたのは本命のクチブト君。エサトリだらけの海から引き出した嬉しい1尾となりました。

時間の経過と共に下げの潮流は勢いを増し、ド本流の様相を呈するように.....。
こうなると「本流の住人」がバンバン食ってきそうなものですが、そうは問屋がおろしません。緩い流れの時に喰ってきたような良型のクチブトも何故か姿を消し、足の裏~30cm程度の干物サイズが1投毎に喰ってくるようになりました。干物用のクロの数は既に十分.....。釣ってはリリースを繰り返しながら、何とか良型のタナを探索してみますが、本流の遥か沖からも小型の便りが届きます...。

仕掛けは入っているハズですが、更に重たい仕掛けに交換してみる事に。
3B強の負荷に耐えるウキを道糸に通し、2BとG1のナマリを打って本流に放り込んでみました。本流の複雑な潮流に揉まれて即、ウキは潜行開始。バラバラと出て行く道糸を指の腹で加減しながら様子を伺います。すると、一定の速度で出ていた道糸が速度を変えてバリバリバリ~。大きく竿を起こして合わせをくれてやると、本流の勢いに乗じたウオの引きはナカナカの強さ。引ったくるようなアタリと重く簡単に底を切らない強い引き味に尾長を確信。針ゴックンにビビリながらのヤリトリとなりましたが、タックルの強さが功を奏し無事にタモ入れに成功。「青木東」の激流に潜む本流の住人に巡り会う事ができました。

午後3時30分.....ビール休憩。
豪快な下げの本流はすっかり影を潜めて上げの潮へと変化中。今からは上げの潮を釣る事になりますが、今夜は風が変わるので、この磯で夜釣りをする事は不可能。夕刻の見回りまで1時間くらいはありますが、ドンゴロスは既にステンディング...魚の入る余裕も少ないので、竿を納めてブラックカイザーを待つ事にしました。

16時過ぎ.....轟音を響かせてやって来たブラックカイザーに乗り込み今夜の宿を探します。
「yukimaruさ~ん 何処行く?」
今夜の風が悪く、良い磯が無いのでしょう、山見船長はマイク越しにそう尋ねてきました。
「何処行く....っと言われても......。 マルヒは?」 「・・・・・」
帆立岩を擁する中ノ瀬戸の名礁群を横目に見ながら、そんな会話をかわしました。

ブラックカイザーは中ノ瀬戸を通過し、「イナマス」にお客を下ろした後、「ヤスナガ」にホースヘッドを押し付けます。「ヤスナガ」のお客は磯替りするようで、全ての荷物は回収体制。
それを見た山見船長 「yukimaruさん ここに乗らん?」
前の客が磯を替るという事は釣れてないって事.....なので、少し躊躇はしましたが、磯が選べる状況ではありません。おまけに以前から乗ってみたい磯の一つだったので...... 「乗りま~す!」
yukimaru今夜の宿はハナグリ島の 「ヤスナガ」 となりました。

瀬際の形状を確認してから夜釣り用、鬼タックルの準備に掛かります。
・ 竿 がまかつ 我夢者5号
・ リール シマノ レマーレ8000D
・ 道糸・ハリス サンライン ブラックマークX8号 Vハード8号
・ ウキ キザクラ 3B
・ ハリ 夜釣王6号
・ タナ 2ヒロ~
磯際のタイドプールにはイスズミやカゴカキなどのエサトリ軍団が入っていたので、昼間の釣り人はかなり苦労をした模様.....。マキエも相当量入っていると思われるので、夜のデカバンの期待度は上がります。問題は活性かな.....そんな事を思い描きながら丁寧にタックルを組上げ、夜の帳が降り始めたのを頃合に、「イナマス」側に釣り座を取って夜釣りの火蓋を切って落しました。

見えない夜釣り。頼りになるのはケミホタルの光とたくましい想像力、そして折れない心が必要になります。マキエを打ち、仕掛けを放り込み、ケミホタルの光を目安に追いマキエを打つ。アタリが無い時は、この単調な釣りを如何に我慢するかが夜釣りのキモとなりますが、今宵は早い段階でアタリをキャッチ。海面シブシブで妖しく光っていたケミホタルがゆっくりと海中に入っていきました。ウキは浮かす設定だったので、間髪入れずに即合わせ!すると、ブルブルと弱々しい引き味で妙なウオが上がってきました。正式名は知りませんが、おそらくハタンポの一族。招かざる客ではありますが、無反応よりもマシ。そう前向きに考えながら次の一投を放り込みます。すると今度は仕掛けが馴染む前にウキが入って行きました。食ってきたのは俗名:キンギョ。本命が居ないのか、エサトリの活性がすこぶる高いのか、その後もハタンポの一族は釣れ続きました。

外道のオンパレードに対しタナを変えて応戦しますが良い結果は出ません。なので、敵前逃亡...。釣り座を「石塚」側に変え、瀬際を探ってみることにしました。潮は当て気味に入って来ているので、沖にマキエを打って瀬際に仕掛けを落ち着かせてみます。潮が当てて来るので、ヘタすりゃ根掛かりの危険な状況ですが、幸いにもハタンポの一族は食っては来ず...サシエ丸残りの時間が続きました。そこで、G1のナマリをハリスに追加しウキを沈めてみることに。3ヒロのタナが取れたらジワリジワリと沈める戦法ですが、たまたま時合が来たのか沈め作戦が功を奏したのかは分かりませんが、竿引きのアタリをキャッチ。ビックリ半分で合わせを入れると、敵はそのゴウリキで瀬の先端を回り込もうと大突進。 「ヤバ.....」 我が手に握りしめたフカセ最強竿の胴を締め上げて、その力に対抗すると流石のゴウリキも瀬を回り込むことは叶わず、徐々に弱っていきました。しっかりと浮かせてハネ叩きの音を確認。 せーのーぅ...で磯の上にブリ上げました。
「ババぢゃぁあるまーのぅ...」 キャップライトのスイッチを入れて魚体を確認。
ライトに照らし出された魚体は茶色の強い尾長グレ。本命捕獲にホッとした瞬間となりました。

瀬ズレでザラザラになったハリスを取り替え次の1尾を狙います。
当てて来る潮は相変わらず。負荷を受けたウキは妖しい光を放ちながら海中を探索します。その妖しい光が一気に沖に向けて走ったのは投入から早い段階でした。俗に言う 「流星アタリ」 ですが、その走り方はまるでサバ。頭に?を浮かべてのヤリトリとなりましたが、上がってきたのは本命の尾長君。先ほどよりもチョイと小ぶりでしたが、嬉しい本命の連チャン劇となりました。
二度ある事はなんとやら...名礁「ヤスナガ」の底力に期待して仕掛けを放り込みます。
すると、またもや 「流星アタリ」 が炸裂!出来過ぎの展開にニンマリと笑いながら合わせを入れてウオと対峙します。ガゴンガゴンと引き回るウオ。その力を竿の強さで強引に押さえ込み.....
「うおおぉぉりゃぁ~!」 の掛け声と共にブリ上げ一閃。キャップライトで磯上に横たわる魚体を確認すると.....なんとそれは巨大なババ。二度ある事は...三度あるとは限らないとなりました。
その後、当てていた潮は向きを変えて沖向きに出るように...。
格段に釣りやすくなったのは良いのですが、再びハタンポの軍団に苛まれる事になりました。タナを変え、負荷を変え、再び釣り座を変え...考えうる限りの事はしましたが、ハタンポの軍団をかわす事叶わず.....。午前2時過ぎ、辛抱の棒はポッキンっと音を立てて折れ、ブラックカイザーの朝の見回りにて撤収する事を決めました。

